2020年09月22日
改造拳銃かもしれない その決着

その日の夜は 比較的 早めに帰宅する予定だった
自宅についたら仮眠をとり
それから 用事をすませようと考えていた
明日も仕事 いつもの日常は繰り返される
はずだった・・・・
家の前の通りに入る手前だった
気がつけば背後に 高身長の男性がいた
私の本名を口にして 本人確認をする
私はハイと答えた
この地に移り住んで7年 訪ねてくるような友人もなく
新興宗教にも属していない
男性は バッチを低く 腰の辺りで見せる
警察です 少しお話がー
視界の奥の駐車している車から複数の人間が降車するのがわかった
ガサ入れの夜である
総勢8名の捜査員による 強制捜査
この事態について 説明が入る
およそ2年前 あるガンマニアが天命をまっとうされた
その遺族が 遺品整理のため 所有していたコレクションをヤフオクに出品した
遺品を金に変えやがってと思うかもしれないが
モデルガンという遺品でも
誰かに 大切にされ残る事は 亡くなった人も喜ぶだろう
そう考えたくもなる はいこれまでよと痕跡を消されるのは寂しいものである
ただ コレクションの中に 違法拳銃 改造拳銃にあたるものがあった
モデルガンから無くしてはいけない
銃身を塞ぐ役目のインサートが無く
回転弾倉 シリンダーが貫通してある
法律になぞるなら 弾丸が発射できるであろう改造拳銃にあたる
ヤフオクで人手に渡ったモノからの それらしきものが出てきた
警警視庁による捜査班と地元警察の捜査員で内偵を進める
2年前のヤフオクの取引履歴から 私がコレクションの一つを購入した事がわかった
ただヤフオクの購入履歴はあるものの
ヤフオクのオークション時の出品画像や 出品商品の情報は残っておらず
落札価格といったものしかログに残っていなかった
私が購入したであろうものは
モデルガンのリボルバー 銃身は短く 落札価格はおよそ3000円
それを2年前に購入
これに心辺りは・・・・
全く ピンとこない
では 今からお宅に お邪魔させてもらいます
ガサ入れかよ ガタガタと自分の予定が崩壊 不安しかない
複数の捜査員がついてくる
コレ 全員 入れませんよ しかも蒸し風呂ですよ
クーラーつけてもらえます?
狭い部屋に密過ぎる クーラーですむ状態ではない
マンションのドアを開け 灯りをつける
女性捜査員が先に入り 部屋の写真を撮る
積み上げられた コスプレ衣装のダンボール
装備品のダンボール
トイガン 箱無しのダンボール
電動ガンの箱
私服が詰められた箱
検索するには 箱無しトイガンの箱に限る
コロナ自粛期間中にわける事はできた
ただ 私自身の記憶で 3000円位で取引できたトイガンのイメージがわかない
安く落札できたのだから 箱無しだろうと推測する
捜査員とは会話をしながら
記憶を呼び覚まそうと質問めいた事を言ってくる
この親しんだ空間に 私服捜査員が溢れる絵面を
写真に撮ってアップしたいくらい 開き直っているし
出てきた言葉は
もしこの部屋に改造拳銃にあたるというものがあるならばー
さっさとお渡しして とっととお帰り願いたい
それを言える位 状況は重くは無かったが
モノを出さければ朝までコースか?という最悪の事態に恐怖していた
あらかた荷物を見せたが 手詰まり感が出てきた
私が モノに記憶が無いので やりようがない
捜査員は撤収する方向で今後について話をはじめる
連絡先の名刺を渡される
警視庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策第五課
大阪府寝屋川警察署 刑事課 暴力犯係
2枚の名刺
自宅から ヤフオク取引で落札された商品が出てきた場合
連絡するようにと決着した
ガサ入れの時 私が書いたブログの記事を見せられ
私の所有する モデルガン画像を出してきたのだが
かなりの時間 内偵をしていたようだ
そして 一つの疑問があったので問いかけてみた
私の 顔写真をどうやって入手したんですか?
はじめに自宅に向かう通りのまえで 声をかけられのだ
自宅の玄関前 カギで玄関を開けようとして
背後から声をかけられたら 推測で本人確認したといえるが
明らかに 私個人を特定したうえでの行動といえよう
捜査員は えっ?という笑顔で去って行った
独り残った自宅 部屋は滅茶苦茶になっていた
もともと滅茶苦茶だったのだが
心は折れてしまい
横になれる空間で寝るのだった
部屋の復旧作業は徐々に進んでいった
気がかりだったのが ブツの行方である
部屋の整理も行っていく 不要なものはオークションに出してしまえ
結局のところ ガサ入れ時には 箱入りトイガンには手をつけていない
まとめて 箱入りトイガンを棚から下ろす
その中に 警察が探しているモノがあった
そもそもー
モデルガンに拘る者が 改造拳銃にあたるものを製作するのは何故か?
リボルバーには銃身の長さにより ヴァリエーションが増える
それに 昔のモデルガンは ある意味デフォルメされているといえよう
あまりリアルにしない
刻印やメーカーシンボルを再現し過ぎると
本家からクレームがくるんじゃないかとビビって見える
映画ダーティハリーが大ヒットして
スミス&ウエッソンのM29のモデルガンも売れた
ただ 銃身のS&Wのメーカー刻印部が
ハリーダーティーと英字で刻まれるビビリっぷり
あまりの出来に 東京マルイの造るモデルガンの銃身を流用してカスタムした
M19にコルト・パイソンの銃身を取り替えてやればスマイソン
ルガーセキュリティシックスにパイソンの銃身でクーガー
モデルガン好きはカスタマイズすることにより
好きなモデルガンを増やしていった
ただここで 間違いが起きる
インサートを入れずに製作してしまう
スタイル重視で シリンダーを貫通させてしまう
インサートを入れずに製作する場合に見られるのは
銃身を移植するため 銃身の中にパイプを通し
延長部をフレームに埋め込む
接合部が少ないのでそうでもしないと
銃身をしっかり保持できないし
そうでもしないとインサートは排除できない
ハッキリ言って ABSでできた改造拳銃なんてものは
実弾を撃てたとしても 一発で銃身ごと吹き飛ぶであろう
外見が銃であれば 相手に驚異をあたえるし
一発でも撃てるというハッタリでも有効なものとなる
ライフリングもなく至近距離でしか能力を発揮できないなら
3Dプリンター銃の方がいい
では 私の手元にある 警察の探しモノとはいかなるものだったのか

コクサイ製 ハイウェイパトロールマン
M28モデル 口径357 3.5インチ



これが外装がM1917に変えられおり
インサートも入ってる
フレームにヒビが入り 火薬を撃ちまくっており
発火痕がありありとみえた
思っていた通りの モデルガン愛好家だ
外装をカスタムしており 遊び倒したという印象
改造拳銃なんか造らなくても モデルガンが良いんだよそう言ってるように見えた
コレを警察に提出して決着か
そして 休みの日に連絡を入れた
もう 持って行ってくれていいから 渡して終りと思っていた
また 私服警察官がやって来た
玄関先でサヨナラできると思っていたら
ブツが出できた部屋の場所を 指さした私 それを撮影してから
寝屋川警察署に連れて行かれた 話があるからと
しかし 空気は微妙だった
捜査員はてっきり インサートの入ってない違法拳銃と思っていたのに
モデルガンだったということで対応が変わるからだ
警察署のスミでモデルガンを取り出しカメラで撮影する
その時 私がモデルガンについて解説するのだった
捜査員にはモデルガンの知識が無く
古いモデルガンのカートに詰める 赤いシートの紙火薬を知らない
それの説明に 運動会でスタートの合図に鳴らすヤツと言ったり
そんな解説をしてみた
このモデルガンは科捜研に送られ
改造拳銃にあたるかどうかの真贋をする
提出に際して 破棄しますという同意書を書いた
科捜研が調べるために破壊してしまう可能性があるからだろう
そして モデルガンは科捜研に行き
私は 解放された
その日の夕方 科捜研で問題無しと判断されたモデルガンは
私のもとに還ってきた
これで 私の事件は終わった
モデルガンは改造拳銃の呪縛に捕らわれいる
フロップカスタムから 逸脱すれば違法拳銃になる
捜査員には もう(改造拳銃)持ってないの?と聞かれたが
変人にも見える ガンマニアには 信用ならないようだ
あー80年代 ベイシティ刑事のジョンカスタムを造った時
インサート入れたっけ?
違法にならないトイガンライフを
ただ 今回の件 ヤフオクで購入したもので
全く 詳細を知らされず買ったものから
犯罪者のような状況になってしまったという
あながち他人事ではない出来事ではないだろうか
Posted by ビグザム at 11:56
│日常運転